素材について




『ウィキペディア日本語版より』


○なめし

 動物の皮は、一般にそのままだと固くなったり腐敗してしまったりする。

 これらを防ぎ、皮を柔らかくして耐久性や可塑性を加え、皮革として利用するために必要な作業がなめしである。

 なめし加工を施すことにより、単に動物の皮膚だった”皮”から、製品に使われる”革”へと変化する。


・タンニンなめし

 切り口(コバ)が茶褐色、型崩れしにくく丈夫、染色しやすい(染料の吸収がよい)、吸湿性に富む、

 使い込むほど艶や馴染みがでる、などがある。反面、タンニンでなめす場合、タンニンを革の中心部分に浸透させるために、

 タンニン濃度を徐々に上げる必要がある(濃度が高いと表面にだけタンニンが結合し、後で浸透しなくなる)。

 よって工程数が多くなり、30以上の工程を踏まえる必要があり高コストになる。

 よく皮革製品で「飴色になる」と表現されるが、それはこのタンニンなめしによるものである。

 手縫いを用いるような鞄等にはタンニンなめしの材料が用いられる。


・クロムなめし

 切り口が青白色、伸縮性が良い、柔軟でソフト感がある、吸水性が低く水をはじきやすい、耐久力がある、比較的熱に強い、などがある。

 衣料用にはクロムなめしが用いられる事がほとんど。タンニンなめしに比べて工程の省力化からコストを抑えられる反面、

 なめし工程上で使うクロムが焼却により化学反応(酸化)を起こし、人体に有害な6価クロムに変化するので処分の際は注意が必要である。


○原材料と種類

・牛

  一般的な革であり、革靴に使用される革としては最大数量。

  一般に成牛の背中から脇までの皮を使用する。


  (製作例)

  





・豚

  非常にやわらかい革を作ることも固く半透明にもできる。

  表皮の下には脂肪層があるので、牛革のように厚い革にはできないのが特徴。

  摩耗に強いので、靴の内革などに使用される。

  三角形にそろった毛穴は一目で豚革と判別でき、価値が低いとして扱われてきたが、

  近年は海外ブランドでもデザイン性を生かした衣料製品などに使われるようになった。





・コードバン

  本来は、スペインのコルドバ産の山羊皮である。

  それに似せた馬の臀部の分厚い皮も、コードバンと呼ばれ、

  高級ランドセルのかぶせ部分や名刺入れ等に使用されている。

  欧米で沼地などの狩猟でよく使用される狩猟靴にしばしば採用される。





・ゾウ

  傷に強く頑丈な革である。ワシントン条約で輸入が規制されている。

  (製作例)

  






・ワニ

  数ある皮革の中でも最高級とされる。クロコダイル種とアリゲーター種がある。

  最上級のクロコダイル(アジア産のイリエワニ)や、アリゲーター、カイマン等が有名。

  鱗の模様によって玉符(柔らかめ)と竹符(硬め)がある。

  (製作例)

  



・ヘビ

  美しい鱗が特徴だが、あまり丈夫ではない。ニシキヘビが有名。

  (製作例)

  





・トカゲ

  丸斑模様のリング縞斑のオーバルなど様々なものがあり、ジャワのリザードが有名。

  また、リングマークトカゲが最も高級。

  (製作例)

  





・サメ

  ナイフで突き刺しても貫通しないと言われるほど頑丈で、水に強い性質がある。

  鮫肌と言われるウロコ部分は加工で除去される。

  (製作例)

  





・エイ

  鮫の近類種であるため丈夫で水に強い、エイの皮も鮫皮と呼ばれることがある。

  炭酸カルシウムでできたラインストーンのような細かい突起が独特の模様を成す。

  ガルーシャともいう。

  光を感知する第三の目の部分はスティングレイハートと呼ばれる。

  (製作例)

  





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